窓口体験

わが職場には「他部署の業務を体験しよう」という企画がある。かねてから一度窓口業務をしたかったので、参加してみた。私が選んだのは国民年金係。試験勉強のおかげで多少は知識があるので、それが通用するかどうか知りたくて。そこで半日体験させてもらった。
さすがに部外者が窓口で対応するわけにはいかないので、応対する職員の横に座らせてもらうだけ。それでも十分な臨場感が味わえた。単なる住所変更にはじまり、障害基礎年金の受給相談、海外に行くのだがどうすればいいかという相談、ハタチになりたての子に年金制度の説明をするなど、半日いただけで盛り沢山のケースを見聞きできた。ここならば、持ってる知識も役に立ちそうだ。
ただ、市ではその人の年金加入記録や納付記録などのデータを持っているわけではないため、その場でいちいち社会保険事務所に電話をかけて照会していたのが気になった。電話がつながらないときは窓口でお客を待たせてしまう。
また、そもそも受付できる対象者が一部の人(自営業者や無職の方・学生など第一号被保険者)に限られるので、対象外となる人(我々サラリーマン)には「社会保険事務所に行ってください」と言わなければならない。なんとも分かりにくく、やりづらいしくみだ。
とにかくいい経験をした。ちなみに、五時を過ぎるとごみを捨てたり掃除をしたり帰り支度をはじめたりして、職場全体がそわそわしはじめる。“そろそろ業務終了だ”という暗黙の空気に耐えきれず、5時5分にはその職場をあとにして、自分の課に戻ってしまった。