必読『東京大学応援部物語』

何気なく本屋で見つけて、即買い、即読んだ。私の2つ下の東大応援部に密着取材して書かれた本であり、実名も出てくる。よくぞここまで応援部の人たちのメンタリティーを表現したと思う。支援会で活動していた自分と重ねて読んでしまった。もちろん、応援団の彼らのほうがキツく忙しいので、同列にしては申し訳ないのだが、なぜその活動をしているのか、なぜ続けているのか、といったあたりは近いものを感じた。そして、近くで見てはいたが活動の全貌が謎であった応援団(リーダー)のことが、少しはわかった気もする。
4年半前に単行本が発売されていたらしいが、知らなかった…。支援会関係者はもちろん、応援団とは無縁だった普通の方にも興味深く読んでいただける本だと思う。
いま、明治の応援団問題が取り沙汰されている。暴力がよくない、異常な体質がよくない、と報道で断罪されているフシがあるが、私は何となく違和感を感じていたところだった。この本でも、暴力だとか体質だとかは否定していない。確かに異様な世界であるし、活動に意味を見出しづらいので、適応できない人も当然いるわけだが、絆が強いがゆえに、一度入ったら抜けづらい。そして、入部者の少なさがそれに拍車をかけ、彼らが逃げ場を失ってしまったのではないだろうか…。

東京大学応援部物語 (新潮文庫)

東京大学応援部物語 (新潮文庫)